研究内容

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平成22年度
 巨石まわりの流れ構造について
 多自然川づくりと治水
 堀川流域での雨水吐越流の現状と貯留効果について
 矢田川わんどの土砂堆積抑制について
 水制周辺の流れ構造と洗掘特性について


平成21年度
 「わんど」における土砂堆積について
 堀川と新堀川の流入水質改善に関する研究
 河川物理特性による魚類の生息場評価


平成20年度
 堀川再生フォーラム 堀川の潮汐流動と濁質動態調査

 「わんど」に関する研究
 感潮河川における問題 「堀川」
 松重閘門における現地観測 「堀川」
 淵を有する河道の変化特性について
 矢田川わんど「子どもの水辺」


平成19年度
 蛇籠水制を用いた直線河道の多様性創出に関する研究
 本川・わんど連結部形状がわんど内の水交換に及ぼす影響
 都市河川の問題 名古屋堀川に関する諸研究
 淵を有する河道の流れ特性について
 都市河川流域の雨水浸透促進効果に関する研究

都市河川・堀川に関する研究

 堀川は名古屋市中心部を南北に流れる貴重な川です。堀川は名古屋港から海水の流入する感潮河川ですが、自己水源がほとんどありません。さらに、流域が合流式下水道であることから、雨天時には都市下水が流入します。このような理由から、水質悪化が問題となっています。
 そこで名古屋では、産官学が連携して堀川の水質を改善しようと様々な活動を行っています。本研究室では流れ構造と水質の関係を把握する現地観測や現地での調査を基にした数値シミュレーションを通して、水質改善のための方策を検討しています。
  

都市部における水文に関する研究

 最近の都市部における短期間での集中豪雨は、貯水能力の低下もあいまって、河川水位を急激に上昇させることが懸念され、また河川に被害を与えることもあります。そこで本研究室では、都市部における貯留効果の向上が河川に与える影響を解析しています。
 また東海豪雨の際には、被害の実態調査を行いました。
 

歴史的水文学に関する研究

 記録的な豪雨は100〜200年といった長い期間において発生するため、従来の豪雨記録を調べることで、今後発生する恐れのある豪雨を予測しようという試みがあります。しかし正確な豪雨データは、最近の100年程度しか残ってません。
 そこで本研究室の歴史的水文学では豪雨を被災した木の年輪を調べることで被災時期を特定したり、また過去の古文書や日記のデータを調査し、水害の時期の特定をします。これらに統計的な要素を加えることで、水害予測の研究を進めています。
          

巨石投入効果に関する研究

  河川に対して巨石を投入することで、多様性を持たせ、水生生物に適した環境を創出しようという試みがあります。流れを複雑化させることで、魚類を始めとした水生生物増加の効果があると見られています。しかし、出水のたびに巨石が埋没してしまったり、年によって効果が安定しない問題があります。
 そこで、PIV可視化装置を用いて、巨石付近の流れ構造を研究しています。また、巨石の設置が水位上昇や河道の抵抗特性に及ぼす影響についても研究しています。
  

水制に関する研究

水制とは、河岸から河道中央部にむけて突き出した河川構造物で、従来より河岸を侵食から保護する目的で利用されてきました。
 一方で、治水・利水とともに自然環境の保全に関心が集まるにつれて、河川流に多様な流れを生み出す水制の役割が再び評価されています。そこで、水制を配置したことによる流れの変化が河道へ与える影響を、水制の形状や配置の変化と、それに伴う河床変動機構の観点より検討しています。
 またわんど同様、水制そのものの長期安定性についても研究しています。

  

わんどに関する研究

 "わんど"とは、連続に配置された水制間や流路の変動などにより生じる河道内の止水域のことで、開口部を有する形状のものを言います。この空間は魚類の生息環境に良好な影響があると考えられ、人工的にわんどを造設する取り組みが行われています。
 その一方で、平水時における水質の悪化や出水時における土砂の堆積による機能の喪失が問題となります。そこで本研究室では、わんどの形状と流れ構造に注目し、わんどの長期安定性について検討しています。

     

河道多様性の創出に関する研究

 都市河川は直線的であり、流れが単調になる傾向にあります。そのため水生生物が生息しにくい環境となっています。そこで河道に水制や巨礫を設置したり、わんど等を設けたりすることにより、河道内に多様性を創出する方法を実験や数値シミュレーションにより検討しています。
 また実際にこれらが設置された河道の現地観測をすることによって、流れ構造や河道特性の変化過程の調査を行っています。
  

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